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narcissu -SIDE 2nd-(すてーじ☆なな) 90点

発売(無料公開):2007/5/16 レビュー:2007/5/19,20,7/8

約2年前のナルキ1に続いて、今回2→1→エピローグと、
とても強く心に響く物語を読むことができました。
姫子など、新規に登場した人物の数少ない設定とその明かし方といった
構成面・演出面でも、物語に馴染みやすく、引き込まれていくことができ、
また、公開順としての1→2、時系列として2→1というつながりも含めて、
場面と場面、セリフとセリフのつながりが丁寧に感じられました。

そして、感動的・印象的な多くの場面の中で、
テーマ・メッセージというものを強く感じました。
しかも、それらが1つの答え(主張)を強く伝えるものではなく、
「読み手の感じるままに」という感じであったため、
生と死、去る者と残る者など、プレイ時間よりも長く色々と考えさせられるような
私にとって大きな存在となる作品の1つになりました。


良かった点を短めに書くと、

数少ない登場人物の設定が見事…全般的に「上手い」後出しとなっている。
 ナルキ1のセツミに対する「後だし」だけでなく、姫子に関する設定が良く、
 ヘルパー関連等「こう使ってくるか〜」と思えた箇所が多かった。

セリフ(文章)にその本来の意味以外に、暗示している内容があるものが多く、
 そちらの方が心を打つ。(「パジャマは嫌い?」等)

・「どのように感じたとしても、それがその人にとっての、この作品の全て」と
 「プロダクト」にあり、プレイヤーが自由に感じ取れることができる。
 そして、実際に感じ取るものがある、ということ。
 (「自由に感じ取れる」と「プレイヤーの想像におまかせして放棄」とは
  似ているようで違うと思います。)

という感じになります。

また、1を読んでいる上での2、というだけでなく、
2を読んだことによって1を読んだときの印象が変化する、
という楽しみ方もできるようになっていること。

それは、おそらく、1のいくつかの場面におけるセツミの心情描写等が、
「プレイヤーの自由に感じ取れる」ことに起因していて、
2でセツミの背景を知ることでまた違った受け取り方ができるということだと思います。



(以下、ネタバレ度かなり高め)










2→1の後にプレイ可能となるエピローグについては、
セツミが笑えたという、2の「#19 魔法」からの話としてのつながりとしても、
7Fのルールを通じた、去る人と残される人の話としても、
素晴らしい構成・内容と演出だったと思います。
(セツミの声で語られる2箇所とか。よくある手法なのでしょうけど、とても感動しました。)

2の「#19 魔法」でワンピースでなく地図を選ぶところから、
「#01 プロローグ」の"…もしかしたらあの日から"へのつながりが何とも切なくて見事。

「#18」での姫子「ええ…決めるのはあなたよ」ともつながっていますし。


そして、本作の感動を更に高めたのが以下の内容です。
「ここがいい」とか「ここは矛盾」とか思っていた感想の
半分くらいは書き換わるインパクトがありました。




「プレイした人がどのように感じたとしても、それがその人にとっての、この作品の全て」と書きつつも、
片岡とも氏には、書きたいこと(伝えたいこと?)が明確にあったらしく、
プロダクトの中で↓のように書いています。

 自分としては、ここにある数行を書きたいが為に、
 本編の25000行を書きました。


(個人的には「内容について2」を上のような文で締めるところも
氏の文章の好きなところです。)


「なんだろう」とは思いつつも、ナルキ1・2を通じて、
最後に笑うということがハイライトされていることから、
「たぶん、書きたい数行は↓かな」くらいに思っていました。

 セツミさん…
 …最後は笑ってくれましたか?
 もしそうなら…私もうれしいです…

 …最後にもう一つ…
 …残す者には…笑ってあげて…



1におけるセツミと主人公の別れ際、
2における姫子とセツミの別れ際、
その前の「きっと大丈夫、最後には笑えるはずよ」というセリフ。
そして、2のラスト。

 これが、最後に笑えるための…
 …残り半分の魔法なのだろうか…

 …こんなわたしでも…いつかは笑えるのだろうか…
 …最後には…笑うことができるのだろうか…


と、最後に笑うことに何か重きを置いています。
しかし、これについては「そうなのかな…」では終わりませんでした。


 少しだけ、本当に少しだけ…
 あのいつもの照れたような笑顔を向けてくれた。


ラムネのスタッフコメントにある「1980」。KとMと妹のS美の物語。
完全なフィクションならば、それはそれでかなり上手い伏線だと思います。
(ナルキ1の発売前である、ラムネ製作時から構想があったのかもしれないけど)

一方で、もし、核心の部分でノンフィクションの部分があるとすれば、
それは、「去る者の残す者への最後のメッセージ」を汲み取ったということかもしれません。

氏は、S美さんの最後の笑顔に込められたメッセージとして、
「残す者には笑顔の姿を記憶にとどめてもらいたい」
と受け取ったということではないでしょうか。
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